俺は、お前がいいんだよ。

「んー、それじゃあ…少し休憩する?」


「休憩…?」


「陽希の家に行く途中に小さな公園があるんだ。ちょっと休んで落ち着いてから行く…ってのは、どう?」


な、なるほど…それがいいかも。


「うん、そうしようかな…。」


「OK。じゃあ、行こっか。」


柏木君に案内され、駅前の大通りから少し細い路地へと入る。


小さな交差点を過ぎると、その道沿いに公園があった。


「あそこにベンチあるから、とりあえず座って休もう?」


「そ、そうだね…。」


公園に入った私たちは木陰の小さなベンチに腰を下ろす。


私たち以外には誰もいない公園。


夕日が景色をオレンジ色に染めている。


時折…風が吹き抜けて、火照った頬を撫でていくのが心地良い。


休憩して正解だった…。


そう思いながら、静かに時間を過ごす。


暫くすると、だんだんと熱も引いて、鼓動も少し落ち着いてきた。


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