俺は、お前がいいんだよ。
「ありがと、由依…。」
「ま、まだ何も作ってないよ!それに、お礼…言って貰えるほどの料理を提供できるか分からないし。」
慌てて陽希から離れる。
抱き締められたらドキドキが増して、また顔が熱くなっちゃうよ…。
せっかく、落ち着いたのに…。
「由依の作る料理なら、絶対に美味いよ。すげぇ楽しみ。」
そ、そんなに期待されてもプレッシャーだけど…。
陽希にそう言ってもらえると嬉しいかも…。
「それじゃ、俺の家…行こっか。この公園を出て、少し歩けば着くから。あっ、それ…俺が持つよ。」
そう言って、陽希は私の買い物袋をヒョイッと持った。
「い、色々と買ったから…少し重いよ?」
「大丈夫。」
笑顔の陽希は、空いている方の手で私の手を握ると、ゆっくり歩き始める。
繋いだ手の温もりを感じながら、隣を歩く陽希の横顔をチラリと見た。
どんなに緊張したとしても、もう先延ばしにしない。
今日、“好き”って伝えるよ。
陽希に…。