俺は、お前がいいんだよ。
結ばれる二人の想い
「ここが、俺の家。」
公園から歩いて数分。
足を止めた陽希と一緒に、私も立ち止まった。
「綺麗な家…。」
レンガ調の外壁、ベランダのある窓、家の入り口付近には寄せ植えされている可愛らしい花。
ボンヤリ眺めていると、陽希が私の手を引いた。
「由依、中に入ろ?」
「うん…。」
家の鍵を開けて中に入る陽希。
その後に私も続いた。
淡く温かみのある照明に照らされた玄関、木目調のフローリング。
整然としていて、家の中も綺麗…。
「お、お邪魔します…。」
ぎこちなく靴を脱いだ私は、陽希に連れられてリビングへと入った。
「あ、バッグとか…その辺に適当に置いてもらっていいから。」
「う、うん…。」
買い物袋を持って、続き部屋になっているキッチンへと歩いて行く陽希。
私は、キョロキョロと周りを見回した後、部屋の隅にバッグを置いた。
ここなら、邪魔にならないよね…。
それにしても、家の雰囲気に反して…なんだか落ち着かない。
男の子の家に来るのが初めてだからかな…。
ソワソワしちゃう…。