俺は、お前がいいんだよ。
「今日のメニューって、何?」
目がキラキラしてる…。
ただならぬ期待をされてる気がして少し肩をすくめた。
「えっと、陽希にはハンバーグと付け合わせのサラダ、それに温かいスープで、妹さんには野菜と卵のお粥を作ろうと思ってるんだけど…」
どんな反応するかな…。
おそるおそる説明すると、陽希は驚いたように目を見開いた。
「なんで、好きな食べ物…分かんの?」
「へ…?」
「俺、ハンバーグ…すげぇ好きだから。」
「そうなの…?」
「ああ。」
単に、私の気分で決めたメニューだったんだけど、まさか陽希の好みの食べ物だったなんて…。
ビックリしたけど、喜んでくれてホッとした…。
頑張って作ろう…。
心の中で気合いを入れて料理を始める。
手早く野菜を切り始めると、その様子を陽希が隣から覗き込んだ。
「うわ、めちゃくちゃ手慣れてるじゃん…。由依、なんかカッコいい…。」
「えっ…」
まさか、そんなことを言われると思ってなかった私。
ビックリした弾みに、危うく包丁で指をケガしそうになってしまった。