俺は、お前がいいんだよ。
「…ったく、一人で勝手な勘違いすんな。あの人は、伊織 由依さん。彩名の誕生日プレゼントを一緒に選んでくれた人だよ。」
「えっ!!」
「……それから、今は俺の彼女なんだ。」
その言葉にドキンと鼓動が弾む。
くすぐったいような嬉しい気持ちが心に広がった。
「あ、由依にも一応紹介しとくよ。これが俺の妹の彩名。」
クリッとした大きな目に桜色の唇に、サラサラな黒髪。
お人形さんみたいな可愛さだな…。
「は、初めまして…彩名ちゃん。今日は、いきなり家にお邪魔させてもらって、ごめんね…。」
ぎこちなく挨拶をすると、彩名ちゃんはスタスタと歩いて私の傍にやってきた。
「この女の人が、由依ちゃん……。」
ゆ、由依…ちゃん?
急に名前で呼ばれたことにビックリして、瞬きを繰り返す。
固まってると、彩名ちゃんはガバッと小さな頭を勢いよく下げた。