俺は、お前がいいんだよ。
『陽希、伊織と付き合うの止めた方がいいって!』
『…確かに。俺、なんでアイツと付き合い始めたんだろ。謎なんだけど。』
嘘…でしょ?
『陽希には、愛想よくて可愛い女の子がお似合いだよ。』
『…だな。俺、由依と別れるわ。』
えっ…
どうして…?
私の席にやってきた陽希を見上げる。
『あのさ、由依…』
その先は聞きたくない。
お願い、言わないで…。
『俺たち、今日限りで別れ……』
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「嫌っ…!!」
その声と共に勢いよく起き上がった私。
部屋のカーテンの隙間から零れる太陽の光をボンヤリと見つめた。
ゆ、夢か……。
良かった…。
そう思った瞬間、温かいものが頬をつたって布団の上にポタリと落ちた。
えっ、涙…!?
夢だと分かってホッとしたからかな…?
ビックリした私は、慌てて目元の涙を拭った。