俺は、お前がいいんだよ。

中学の頃の夢、久しぶりだな…。


高校に入ってからは、まだ見たことがなかった気がする…。


カーテンを開けた私は、温かい朝の光に目を細めた。


今まで、同じような夢を見た朝は…普通に起きていたのに…。


涙が出たのは初めて…。


今日ほど、“夢で良かった”って心の底から思ったことないや…。


どうして、陽希が中学の夢に出てきたんだろう…。


陽希に告白してから一週間。


毎日が楽しくて幸せを感じてる、このタイミングで、どうして…?


「…………。」


まあ、あまり…夢に疑問を持たない方がいっか。


夢は夢なんだし。


そう思いながら一日をスタートさせた私だったけど、学校に来てからも、どんよりと曇った気持ちは続いていた。


授業も耳に入ってこなくて、今朝の夢が頭に浮かぶばかり。


心ここにあらずな状態のまま、午前中が終わってしまった。


< 205 / 350 >

この作品をシェア

pagetop