俺は、お前がいいんだよ。
大きくて温かい陽希の手。
触れられた瞬間、胸が高鳴る…。
抱き締められてるだけでもドキドキが半端ないのに、更に鼓動は加速していく。
「あの、話も終わったし…お昼食べよう?」
モゾモゾと動いて離れようと試みた私だけど、解放してくれる気配がない。
「陽希…?」
「…もう少し、このままで居たい。」
「えっ…!?」
それって、どれくらい…?
陽希が離してくれる前に、ドキドキし過ぎて意識を手放しちゃいそうだよ…。
落ち着かなくて視線を泳がせた。
「あ、そうだ…!由依、今日の放課後…少し寄り道しないか?」
「ど、どこに…?」
急に声を掛けられて、ビクリと肩が上がる。
返した言葉は変に上擦ってしまった。