俺は、お前がいいんだよ。
最近、陽希の雰囲気や言動の全てが甘過ぎる。
こんな風に抱き締められることも、多くなった。
そんな陽希に翻弄させられる私だけど、それが照れくさいながらも嬉しい。
胸がくすぐったくなるような、温かい気持ち。
両想いって、本当に素敵なものなんだな…。
「由依、なんか考え事してるだろ?もしかして俺のこと、考えてくれてる?」
「あ、当たり前でしょ!この状態で陽希以外のことなんて考えられるわけないじゃん…!頭の中、陽希でいっぱいだよ…。」
……って、私ってば何でキレ気味に返してるのよ。
怒ってるようで、嫌な感じに映ったかな。
おそるおそる陽希の顔を見上げると、手で口元を覆って、私から視線を逸らしていた。
「ヤバっ…、不意打ちくらった。」
「へ…?」
「てっきり“そんなわけないでしょ”とか返されると思ってたから。今のは、威力あり過ぎだろ。」
陽希、顔が赤い…。
「て、照れてる…?」
ぎこちなく聞くと、陽希は私に唇を重ねた。
「そうだよ。由依が俺をドキッとさせるようなこと言うから。」