俺は、お前がいいんだよ。

「いっ、いきなりキスするのはダメだってば!!心臓が止まりそうなほどビックリしたんだけど…!」


「不意打ちのお返し。」


っていうか、そもそも不意打ちとか…そんなことしていないのに…。


口を尖らせてみたけど、頬の赤い陽希を見てたら怒る気も早々に失せてしまった私。


二人で顔を見合わせて、はにかんだ。


「昼飯、食おうか。」


「うん…。」


青空の下、屋上で一緒に食べるお昼ご飯は…とても美味しい。


笑みが零れる。


私って、こんなにニヤニヤするような人だっけ…?


恋をして、あらたな自分の一面に気付かされることがある…。


コンプレックスな素直じゃない性格も、少し…刺々しさがなくなったような気がするんだ。


もっと、素直になれたらいいな…。


陽希と過ごす時間の中で、一歩ずつ。


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