俺は、お前がいいんだよ。
「陽希、今日は…ありがとう。」
お店を出た後、帰り道。
私は、笑顔で伝えた。
嫌な夢を見た朝が、幻だったかのように思えるぐらい素敵な一日になったのは、陽希のおかげ…。
心の中、温かい気持ちで満たされてる…。
直さんから貰ったクッキー入りの小瓶を見つめていると、陽希は私の手を握る力を少しだけ強めた。
「由依…」
「ん?」
「あのさ、今度…休日デートしない?」
「休日…デート?」
「放課後とかじゃなくて、休日を由依と一緒に過ごしたい…。付き合い始めてから、まだ…そういうデートはしてないだろ?」
「うん…。」
確かに…。
ゴールデンウイークの時は、私たち…付き合ってなかったから、デート…じゃないもんね。
私を見つめて返事を待っている陽希に、コクンと頷いた。
「デート、しよっか…。」
そう話した途端、みるみるうちに陽希の顔が綻ぶ。
とても嬉しそうな表情だ。