俺は、お前がいいんだよ。

「いっ、いきなり…何!?」


ビックリして、慌てて額を手で覆う。


周りの人がチラチラと私たちを見ていて、恥ずかしさでいっぱいになった。


「由依は俺のものだってのを、見せつけてやった。」


「は、はい?」


急に視線が鋭くなった陽希。


その目が見つめる先には、見知らぬ同い年ぐらいの二人組の男子がいた。


「アイツら、さっきから由依のことをジロジロ見ていて、声掛けそうな勢いだったから。」


「そ、そうなの…?」


全然、気付かなかった…。


陽希に睨まれた男の子たちは、そそくさと背を向けて足早に人混みの中に消えていった。


「由依は可愛いんだから、俺以外の男には警戒しろよ?」


「うん……。」


一応、頷いたけれど……


特別に警戒しなくてもいい気がするんだよね。


男の子が私に近寄ってくることなんて、殆ど無いわけだし。


陽希、心配し過ぎだよ。


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