俺は、お前がいいんだよ。
さっき、あの男子たちが“さっさと別れた方がいい”って陽希に言った時。
どうして、私は…怖くなったんだろう。
あの夢が正夢になったら…だなんて、思っちゃったのかな…?
陽希が、そんなことを言うはずないのに…。
今の今まで緩んでいた頬が、少しずつ強張っていくのを感じた。
これって、私が陽希の気持ちを信じきれてないっていうことじゃない…?
ちゃんと信じてるなら、夢なんかで不安になったりしないと思うし…。
好きな人を信用出来ないなんて、最低…。
俯きながら心の中で溜め息を零した。
「あのさ、由依…。クレープ食べ終わって少し休んだら、観覧車に乗らない?」
陽希の優しい声に顔を上げる。
「か、観覧車…?」
「上から眺める景色は綺麗だろうし…。あ、高所恐怖症?」
「ううん、平気。」
「じゃあ、決まりだな。」
クレープを口に運ぶ陽希の横顔をジッと見つめた。
こんな私を知ったら、陽希…どう思うんだろうか。
さすがに、嫌われちゃうかな…。