俺は、お前がいいんだよ。

「だから、彼女失格なんて言うな。由依は俺にとって、最高の彼女だ。」


陽希は私に唇を重ねる。


その温かさに、また涙が溢れた。


「私も、もっと…陽希を好きになりたいな。」


「ん？」


「不安を感じないぐらい、陽希のこと…大好きになっちゃえば、きっと…無敵でしょ…？」


「………っ…」


ビックリした様子で目を見開く陽希。


少し頬を赤く染めながら、視線を泳がせた。


「や、ヤバいだろ…今のは。」


「えっ？」


「いきなり、そんな可愛いこと言うなよ。我慢してる俺の身にもなってくれる？」


「我慢って、何を…？」


意味が分からなくて、頭に疑問符を浮かべる。


そんな私に視線を向ける陽希は、少し苦笑した。


「相変わらず、鈍いよな…。」


「へ…？」


どうして、そこで“鈍い”という言葉が登場するんだろう…？


首を傾げると、陽希は耳元に唇を寄せた。


「…だったら、少しだけ我慢すんの止める。」


そう囁いた陽希は、私の唇を塞いだ。