俺は、お前がいいんだよ。

「……っ…」


優しく啄むように何度も口付けられる。


次第に深くなるキスに、熱くなる体。


「んんっ……」


こ、声が出ちゃう…。


恥ずかしさのあまり、唇を離して欲しいと思いつつも、上手く呼吸が出来ないせいか、だんだん頭の中がボンヤリしていく。


意識を手放しそうになったところで、ようやく…陽希は唇を離した。


「ごめん。少しだけのつもりだったんだけど、直ぐに止められなかった。大丈夫か…?」


「だ、大丈夫じゃないよ…」


キスから解放された途端、思いっきり空気を吸い込んだ私。


肩を上下させながら呼吸する。


「すごく苦しかったんだから。そっ、それに…変な声まで出て、恥ずかし過ぎる…。」


熱を帯びている顔を両手で覆う。


すると、陽希は私の手首を掴んで顔から引き剥がした。


「変な声じゃなくて、甘い声だろ?すげぇ可愛かったよ、由依。」


そんな優しさに満ち溢れた笑顔、向けられたら…


体温も、心拍数も…もっと上昇しちゃう。


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