俺は、お前がいいんだよ。
また…涙で少し視界が滲んできちゃった。
私はゴシゴシと涙を拭った。
「な、なんか…今日の私、さっきから泣いてばかりだね。ごめん…。陽希に出会うまでは、こんなに泣くことなんて無かったのに…。」
「いいんだよ…。」
ポンポンと私の頭を撫でた陽希は、そのまま胸の中に引き寄せた。
「それって、由依が素直な自分を曝け出してくれてるってことだろ?俺の前で、無理して感情を抑え込まれるより、よっぽどいい…。」
「…………。」
「泣きたい時は、思いっきり泣いた方がスッキリするんだよ。」
「そうだね…。」
陽希の言葉は、一つ一つが温かい。
もちろん、言葉だけじゃなくて…表情も仕草も雰囲気も全て。
そんな優しさに溢れた温もりに包まれてるから、素直になれるのかな…?
「じ、じゃあ…もう少しだけ、泣いていい?」
「もちろん。治まるまで、こうしてるから。」
「うん…。」
ありがとう、陽希。
静かな時間が流れる観覧車の中、私は暫く陽希の胸に顔を埋めていた。