俺は、お前がいいんだよ。
Chapter*7
天使の接近
「おーい、ホームルーム始めるぞ~!」
6月に入り、上旬も終わりを迎えようとしていた、ある日の夕方のホームルーム。
たいてい、あっさりと連絡事項だけを告げるだけで早々と終わらせる担任の先生が、教室に入ってくるなり、数枚のプリントを配り始めた。
「今日は…ちょっと長引くだろうから、そのつもりでいろよ~。」
教室に飛び交う“えーっ”という嫌そうな声。
何の話だろう…と思いながら、回ってきたプリントに目を通すと、そこには『合同オリエンテーションキャンプについて』と書かれていた。
「今、プリント渡ったと思うが、来月…1学年全員対象のオリエンテーションキャンプを実施するぞ~。例年は5月にやってるんだが、日程の調整がつかなくて、7月にやることになった。人数多いからキャンプ場も二カ所に分かれるぞ。場所、ちゃんと見とけよ。」
奇数組と偶数組で分かれるんだ…。
ん?
陽希は5組だし、私は1組。
ということは、キャンプ場…同じなんだ。
それだけで、嬉しくなってしまった。