俺は、お前がいいんだよ。
「でも、こういう日に限って…っていう可能性も考えられるだろ?本当は一人で帰らせたくねぇんだけど、ミーティングが終わるまで待たせるのも悪いし…。由依、今日は早めに帰りたい…って言ってたもんな…。」
「う、うん…。隣町に住んでる親戚の女の子が泊まりに来ることになってるから……。ごめんね…。」
「いや、謝ることじゃねぇよ。んじゃ、気を付けて帰れよ?」
「…ありがとう。」
ポンポンと頭を撫でる陽希に笑みを零していると、突然…廊下がザワザワし始めた。
「どうしたんだろう?急に騒がしくなったね。」
「ああ…。」
不思議に思いながら二人で廊下に出た、その時。
「あっ!!瀬ノ内君と伊織さん!」
聞き覚えのある女の子の声。
隣のクラスの前に出来ている人だかりに視線を向けると、その中から出てきたのは栗山さんだった。