俺は、お前がいいんだよ。
「そうだ!いよいよ明後日はキャンプだし、それまでに別れちゃうのはどうかな?こういう決断は、グダグダ引っ張るのも良くない思うし。」
「どうして、そんなこと…」
「ねぇ、伊織さん。瀬ノ内君が本当に好きなら、彼の幸せを願って身を引くのが一番じゃないの?瀬ノ内君は、私と一緒にいる方が…きっと幸せだよ。」
「……………。」
「じゃあ、明後日のキャンプでは…いい報告待ってるね!」
ニコッと可愛く笑った栗山さんは、男の子が待ってる書店の方へと足早に向かう。
その姿を見るだけでも胸が苦しくなった私は、俯きながら家へと歩き出した。
私…
陽希に迷惑かけちゃってるのかな…。
ただでさえ外見が微妙なのに、性格だって…決して良いとは言えない。
素直になれなくて、上手く気持ちを伝えられない時だってある。
そんな私に対して、陽希は怒ったり呆れたりすることなく、いつだって優しい。
でも、それは…
陽希の心を疲れさせてたのかな…。