俺は、お前がいいんだよ。
隠していた素顔
「それでは、これより…桜瀬高校と月沢芸術大学附属高校の合同キャンプを行う。このキャンプを通して、お互いの親睦を深めてもらうと共に、様々なことを吸収して学んでもらいたい。あくまでも学習の一環として行うキャンプなので、ふざけたりすることのないように!」
迎えたキャンプ当日。
私は落ち着かない気持ちで、先生の挨拶を聞いていた。
いよいよだ…。
例え、栗山さんに何を言われても…怯まないで伝えなくちゃ。
陽希と別れる気は一切ないことを。
「このあと、班ごとに別れて色々とやることになるが、くれぐれもケガのないように。」
話が終わると、生徒たちは運営委員の指示で各班に別れることに。
私も恵理子と一緒に移動する。
私たち…桜瀬高校C班は、月沢芸術大学附属高校C班との合同グループだ。
同じ場所に集まると、少しぎこちない空気になりつつも、自己紹介から始まった。
みんな、月沢芸大附属の音楽科の人たち。
栗山さんは同じ班ではないようだ。