俺は、お前がいいんだよ。
「使ってもいい?」
少し不機嫌そうな表情。
私は慌てて立ち上がると、自動販売機から少し離れた。
「は、はい…。どうぞ。」
男の子はチラチラと私の方を見ながら、自動販売機にお金を入れる。
絶対、不審に思ってるんだ…私のこと。
さっさと飲み物買って、どっかに行ってくれないかな…。
ヤキモキする私をよそに、自動販売機から出てきたペットボトルを開けて、その場で少し飲んでいる男の子。
なんで、そこで飲んでるのよ…。
いいから、早く帰ってよ。
イライラしていると、男の子は私に視線を向けた。
「さっき、ここで何してたの?」
「いや、別に…何も……」
「でも…何もなかったら、こんなところでしゃがんだりしないだろ?」
「…………。」
ごもっともです…。
だけど、そんなの…あなたが気にすることじゃないでしょうが…。
放っておいてよ。