俺は、お前がいいんだよ。
「謝らなくていい…。それって、由依の優しさだったんだろ?別に由依が悪いわけじゃねぇよ。」
「だ、だけど…結果として陽希だけじゃなくて、柏木君にまで迷惑を掛けちゃったし…。」
「俺も誠も“もしも由依に何かあったら”って心配はしたけど、そのことを迷惑だなんて一切思ってねぇよ。」
そう言った後、陽希は私の耳元に唇を寄せる。
「由依、一つ…言ってもいいか?」
「えっ…」
なんだろう…?
不思議に思っていると、陽希は抱きしめていた手を解く。
そして、手を私の頭にポンと優しくのせた。
「もっと、俺に甘えろよ…。」
「……っ…」
「自分自身で解決するのは悪いことじゃないと思う。だけど、苦しいことや辛いことは…一人で抱えるより二人で分け合った方が、解決の糸口を早く見つけられるだろうし、心に掛かる負担だって少し軽くなるんじゃないかな…。」
「……うん。」
コクンと頷く。
陽希はフッと柔らかい笑みを零すと、再び私を胸の中に引き寄せた。