俺は、お前がいいんだよ。
「ヤバい、今の…すげぇ嬉しい。由依に想ってもらえる俺は、幸せ者だな。」
「それは、言い過ぎ…。」
「いや、そんなことねぇよ。本当に…そう感じてるんだ。」
陽希の手が私の頬に触れる。
そして、顔が近付いてきたかと思うと、そのまま唇が重なった。
「は、陽希…!ここ、救護室だって忘れてない?もしも誰か来たりしたら……」
「大丈夫。今日は俺らの合同キャンプで貸し切りみたいだから。今は、みんなキャンプファイヤーを楽しんでるし、誰も来ないよ。」
「でも、急病の生徒やケガした生徒が来る可能性があるでしょ?いきなり、この状況を見られたら、恥ずかしい…。」
思いっきり抱きしめられてるし…。
ソワソワしていると、陽希は照れた表情を浮かべながら私の体から離れた。
「生徒だけじゃなくて、先生が様子を見に来る可能性もあるもんな…。」
「うん…。」
お互い、赤くなった顔を見つめて沈黙する。
たまらずに視線を逸らして俯くと、陽希は私の手を握った。