俺は、お前がいいんだよ。
「ごめん。やっぱり、まだ由依に触れていたい。これなら、誰か来たとしても…目立たずに自然に離せるだろ?」
顔を上げた私の目に、陽希の笑顔が映る。
「そうだね…。」
私は頬が緩むのを感じながら、陽希の手を握り返した。
私も、幸せ者だと思う。
温かく包み込んでくれる陽希の優しさに守られて、いつも笑顔にしてもらってるから。
何よりも大切だと思える人が傍に居てくれる。
そのことが、こんなにも素敵で幸せを感じることなんだね。
「陽希…。」
「ん?」
「私と出会ってくれて、ありがとう…。私の初恋が陽希で良かった…。」
心から溢れた言葉。
以前の私なら、きっと…こんな風に素直に口にすることが出来なかった。
陽希と過ごす日々が、私を変えたんだ…。
「……由依、破壊力ありすぎ。俺の家なら、確実に理性飛ばしてた。」
「えっ?」
「あ、いや……要は由依が可愛すぎるってこと。」
コツン…と、私におでこをくっつけた陽希は笑みを零す。
恥ずかしさを感じながらも、つられて笑みが零れる私。
キャンプファイヤーの賑やかな声が耳に届く中、私たちの間には…穏やかで温かい時間が流れていた。