俺は、お前がいいんだよ。
桜瀬駅まで電車に乗って、そこから歩いて直さんのカフェへ。
到着すると、お店の前には数メートルの行列が出来ていた。
相変わらず、人気のお店だなぁ…。
もうすぐ15時だし、これから…まだまだ混みそう。
私は行列の最後尾に並んだ。
陽希に会える楽しみな気持ちと、緊張感が心を包み込む。
一人で行列に並んでいても、時間はあっという間に過ぎていき…
待つこと、およそ30分弱。
ついに、お店の中へと入ることができた。
「いらっしゃいませ。暑い中、大変お待たせいたしま………えっ、由依!?」
早速、席を案内しようとやってきた陽希と顔を合わせた私。
数秒、言葉を失った陽希は瞬きを繰り返した。
「由依、どうしてここに?」
「急にごめんね…。一度、陽希がバイトしてる姿を見てみたくて、こっそり来ちゃった…。」
そう言った途端に、陽希の頬が赤くなる。
「何それ、可愛い過ぎるんだけど。」