俺は、お前がいいんだよ。
家なら、人の目も気にすることなく、二人で落ち着いてお祝い出来る…。
それが一番いいかな…と思ったんだ。
「それ、すげぇ嬉しいけど…急に由依の家にお邪魔していいのか?親だって、ビックリするだろ?」
「ううん、平気!今日は、お母さんもお父さんも出掛けてるから、家には誰もいないよ。」
「…ということは、完全に二人きりか。嬉しいけど、ヤバいな。」
「えっ…?」
「あ、いや…何でもない。俺自身の問題だし…。」
どういう意味だろう…?
照れくさそうに頭を掻く陽希に首を傾げた。
「それより、早速…由依の家に行こう?外で話してるのも暑いし…。」
「そうだね…。」
そう答えた私は、ドキドキしながら陽希の手をギュッと握る。
その瞬間、陽希の肩がビクッと上がった。
「由依っ、手……」
「えっと、たまには…私から繋いでみようと思って…。」
これも、私が…今日やりたいと思ってたことの一つ。
いつも陽希から手を繋いでくれるから、今日は思い切って私から手を繋ごうと決めてたんだ。