俺は、お前がいいんだよ。
最後に“Happy Birthday”の文字を書いておいたホワイトチョコのプレートをホールケーキの中心に置けば……完成。
少し大きめのトレーに、飲み物やグラス、お皿やフォークと共にケーキをのせた。
陽希、ビックリするかな…。
緊張とワクワクを感じながら、トレーを持ち上げる。
慎重に階段を上りきった私は、ドアが閉まっている部屋の前に立った。
「陽希、あのっ…両手で飲み物を持ってるから手が塞がっていて…。ドア、開けてもらってもいいかな…?」
「分かった、すぐ開ける…!」
近付いて来る陽希の足音。
ガチャリ…という音と共にドアが開く。
私は、ドキドキしながら陽希に笑顔を向けた。
「陽希、誕生日おめでとう…!」
「……っ!?」
突然のことに驚いたのか、陽希は瞬きを繰り返す。
ケーキと私を何度も交互に見た後、ようやく今の状況が掴めたらしく、ハッとした表情を浮かべた。