俺は、お前がいいんだよ。
「すげぇ気に入った。ありがとう、由依。この腕時計、大事に使わせてもらうよ。」
優しく微笑む陽希。
プレゼントも喜んでもらえて良かった…。
サプライズが成功してホッとしていると、陽希は頬を少し赤くして、照れくさそうに笑った。
「好きな人に祝ってもらえる誕生日は、こんなにも嬉しくて幸せな気持ちになるんだな…。」
私の頬に触れる陽希。
顔が近付いてきたかと思うと、唇にキスを落とした。
「今までの中で、今日は…間違いなく最高の誕生日だ…。こんなに素敵な誕生日を、本当にありがとう…。」
陽希の柔らかな眼差しと温かい言葉が胸を震わせる。
“最高の誕生日”
そう言ってもらえたことが嬉しすぎて、ジワリと涙が込み上げてしまった。
「いつも、陽希から…たくさんのドキドキや幸せをもらってる。陽希に、笑顔にしてもらってる…。だから、今日は…私が陽希をいっぱい笑顔にしたかったんだ…。」
「由依……」
「だから、そんな風に言ってもらえて嬉しい。ありがとう…。」
言い終えると同時に、ひと粒の涙が零れ落ちる。
目元を拭おうとして伸ばした手を、陽希がギュッと掴んだ。