俺は、お前がいいんだよ。
柏木君の衝撃的な見解
「ま、間に合った……。」
翌朝。
私は息を切らしながら駅の階段を駆け下りて、ホームで電車を待つ人たちの列に並ぶ。
間もなく入って来た電車を見ながら、ホッと胸を撫で下ろした。
この時刻の電車を乗り過ごすと、確実に遅刻してしまうからだ。
寝坊なんて、普段は殆どしないから焦った…。
原因は、昨日…夜遅くまで瀬ノ内君の妹さんのプレゼントのことを考えていたから。
ある程度、漠然とした候補だけでも絞っておいた方が、買い物もスムーズに進むかな…と思ったんだ。
でも、考え始めたら…なかなか眠れなくなっちゃったんだよね…。
寝る時に考え事は…良くないな。
朝から全速力で走るのはキツい…。
疲労を感じながら電車に乗り込んだ。
「あれ?伊織…ちゃん?」
私、今…呼ばれたような気が…。
キョロキョロと周りを見回すと、突然…腕を掴まれて引き寄せられた。