俺は、お前がいいんだよ。
「で、でも…今年から瀬ノ内君は単独でプレゼントを用意しようと思ってるとか…。」
「仮にそうだとしても、陽希がプレゼント選びの買い物に女子を付き合わせることなんて、俺的には有り得ない出来事なんだよね。だって、女子が傍に居るだけで鬱陶しそうにしてるぐらいだからさ。」
確かに、カフェの行列で女の人に声掛けられて苛ついてたもんな…。
興味がないどころか、嫌いの領域に達してるんじゃないかっていう印象すら受けた。
昨日の光景を思い出していると、柏木君は急に私の耳元に顔を近付けてきた。
「多分、陽希は…伊織ちゃんに恋してるんだよ。」
「えっ!?」
囁かれた声にビックリして、肩が跳ねる。
ニコリと爽やかに笑う柏木君に、首を横に振った。
「ないよ、ないない!絶対に有り得ないよ!」
「でもさ、陽希…伊織ちゃんには自分から話し掛けたりしてたじゃん。それに、伊織ちゃんと話す時の陽希は…なんか生き生きしてる。」
それは、気のせいじゃないかな…。
思わず苦笑いしてしまった。