俺は、お前がいいんだよ。

「伊織ちゃんの方こそ、憶測で話すのは良くないと思うよ?」


「わ、私は事実を言ったの!憶測なんかじゃ…」


「世界は広いんだし、色んな男がいる。みんながみんな、伊織ちゃんを嫌いだなんて思ってるわけないでしょ。」


「だけど…」


「少なくとも、陽希や俺は…伊織ちゃんを嫌ってなんかいないよ?それに、性格だって…悪くないと思うけどな。俺からすれば…見ていて飽きない性格って感じがする。」


「………。」


微笑む柏木君に、どう言葉を返したらいいのか分からず黙り込む私。


頭にのせられた手を退けたくて、柏木君から離れて距離をとった。


見ていて飽きない性格って何?


最悪とまではいかないけど、変わった性格してるってことだろうか…。


よく分からない…。


また溜め息が漏れた。


柏木君や瀬ノ内君と話してると、なんか…調子狂う。


朝から、すごく疲れを感じてるな…私。




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