俺は、お前がいいんだよ。
Chapter*3
初感覚のお出かけ
「それじゃ、行って来ます。」
「気をつけて行ってらっしゃい。恵理子ちゃんにも宜しくね!」
「う、うん。」
4月も終わり、突入したゴールデンウイーク。
淡々と毎日が過ぎていき、ついに到来した瀬ノ内君との買い物の日。
早めにお昼を済ませた私は、身支度をして家を出た。
お母さんには、男の子と出掛ける…とは言いにくくて、恵理子とショッピング…ということにしてある。
本当のことなんか言ったら、質問攻めにされるのは目に見えてるからだ。
“彼氏が出来たの!?”とか言って興奮しそう…。
そうなると色々と面倒だ。
嘘はよくないけど、今回はやむを得ない。
自分に言い聞かせて、新緑の木々の木漏れ日が差し込む道を歩く。
昨日は雨だったから天気が心配だったけど、今日は快晴。
まさに行楽日和だ。
まあ、私たちはプレゼント選びの買い物だから、あまり天気は関係ないけど、晴れてると気分がいいもんね…。
少し漂う初夏の空気を思いっきり吸い込んだ。