俺は、お前がいいんだよ。
キョロキョロと辺りを見回すと、近くで立っている数人の女の子グループ。
座席に座ってる2人組の女の子たち。
みんなの視線が瀬ノ内君に向けられていた。
「わぁ~、めちゃくちゃイケメン!」
「私たちと同い年ぐらいじゃない?声掛けてみようよ~。」
「でもさ、声掛けるのはハードル高くない?あれだけカッコいい人は見てるだけで十分だよ!」
キャーキャー言って、はしゃいでる…。
まあ、瀬ノ内君がそれぐらいカッコいいってことだよね…。
今日は、グレーのボーダーのカットソーの上に白のカジュアルシャツを羽織って、下は黒のクロップドパンツにスニーカー。
私服姿もキマってるもんな。
女の子たちの注目を集めるのも頷ける。
納得しながら瀬ノ内君をジーッと見つめた。
「伊織、どうした?俺の顔、何か…ついてる?」
「あ、いや…違うの。瀬ノ内君って、どこにいても女の子にモテるイケメンなんだな…と思って。今も、女の子たちの視線を独り占めしてるし。」
瀬ノ内君はチラリと周りを見ると、溜め息を漏らした。