俺は、お前がいいんだよ。
どうして、そんな真剣な目…するの?
「……俺以外の男とか、あまり見て欲しくねぇからさ。」
どうして、少し照れくさそうな顔してるの?
「…………。」
っていうか、私は…なんでドキドキしてるの…?
よく分からない。
「伊織、俺の話…聞いてる?」
「き、聞いてるし…!こんな近距離なんだから、ちゃんと聞こえてるよ!」
「…そっか。」
優しく笑う瀬ノ内君の姿に、心臓がドクンと大きく跳ねた。
何、これ…。
休日に恵理子とお出掛けして、お喋りをしたって、こんなこと無かったのに。
初めての感覚だ。
緊張からくるドキドキとは、全然違う。
経験のない気持ちに、戸惑いが押し寄せた。
おかしいな……。
私、どうしちゃったんだろう…。