俺は、お前がいいんだよ。
揺さぶられる言葉
電車に揺られ、私たちは夕凪駅へ。
駅から徒歩数分のショッピングモールにやってきた。
ゴールデンウイークの真っ最中。
予想はしていたけれど、やはり人が多い。
「すげぇ、賑わってるな。」
「連休だし、オープンして1ヶ月ぐらいの新しいショッピングスポットだもん。集客力があるよ…。」
「…確かに。」
納得している瀬ノ内君をチラリと見た。
「あのさ、こうして行動を共にしてるわけだし、もう…手は離してもよくない?」
身動きがとれないほど混雑しているわけじゃないんだし、手を繋ぐ必要性は全くない。
「いや、現状維持で。」
「は!?なんで?」
「この方が牽制できるから。」
「牽制…??」
「まあ、要は…気にするなってこと。」
それって、また受け流されたってこと…!?
瀬ノ内君は気にならないのかもしれないけど、私の身にもなってよ。
周りからチラチラ見られるの恥ずかしいんだから。
それに……