俺は、お前がいいんだよ。

「俺が伊織の傍から離れるわけねぇだろ。」


「えっ…」


「そもそも、俺が妹のプレゼント選びに付き合って欲しいって誘ったのに、伊織だけに任せるとか…そんなことしねぇから。」


「でも、居心地…悪くない?」


「妹の部屋もこんな感じの雰囲気だから、多少…慣れてるし。平気。」


へ、へぇ…。


ということは、このお店に来たの…正解だったのかな…。


妹さんが気に入りそうなものが見つかりそう。


「それなら、とりあえず店内を一周して色々と見てみよっか。」


「…そうだな。」


早速、喜んでもらえそうなプレゼントを探し始めた私たち。


たちまち、店内の女の子たちの視線は瀬ノ内君に集まり始めた。


どこに行っても人気になるんだな、この人。


ハハハ…と苦笑いをしていた時だった。


「ねぇねぇ、あの男の子の隣にいる子って彼女かな?」


声の聞こえてきた方をチラリと見ると、私たちの近くで買い物をしている、同い年ぐらいの女の子たち数人が目に映った。


< 79 / 350 >

この作品をシェア

pagetop