俺は、お前がいいんだよ。

「手、繋いでるよ。カレカノじゃない?」


いやいや違いますから。


否定した方がいいかな…と思っていると、一人の女の子がクスッと鼻で笑った。


「でも、有り得ないでしょ。だって、あの女の子…微妙だもん。隣の彼と釣り合ってないじゃん。きっと、無理やり男の子を付き合わせてるんじゃない?」


その言葉に他の女の子たちは納得するように頷く。


「だね~。あの男の子、可哀想。」


「買い物したいなら、一人で来ればいいじゃん。」


なんか、好き勝手…言ってる。


でも、私が瀬ノ内君の隣にいるのが不自然なのは事実。


あんな風に言われても仕方ない。


聞かないフリをして、適当にやり過ごそうと思っていると、突然…瀬ノ内君が私の手を離す。


そして、向かったのはヒソヒソと話す女の子たちのところだった。



「お前ら、俺の女に対して…随分な物の言いようだな。」


瀬ノ内君の低い声に、女の子たちはビックリして瞬きを繰り返す。


もちろん、私も例外じゃない。


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