俺は、お前がいいんだよ。
「俺に言わせれば、微妙な女はアンタらの方だよ。こっちまで聞こえるようにコソコソと陰口叩くとか、陰湿過ぎるんじゃねぇの?」
「わ、私たち…別にそんなつもりじゃ…」
「とにかく、目障りだから消えてくんない?今度、俺らの前でそういうこと言ったら、相手が女だろうと容赦しないから。」
ただならぬ低いトーンの声に、女の子たちは震え上がっている。
瀬ノ内君がどんな表情を女の子たちに向けてるのか分からないけど、少し涙目になってる女の子がいることから察するに、相当…怖いんだろう。
「す、すみませんでした…。」
女の子たちは瀬ノ内君に平謝りすると、逃げるようにしてお店から出て行ってしまった。
「……ったく、謝る相手が違うだろうが。」
瀬ノ内君は不満げに呟く。
溜め息をついた後、私のところに戻ってきた。
「伊織、あんなの…気にすんなよ?」
「別に気にしてないから…。それより、瀬ノ内君…あの女の子たちに対して、ちょっと言い過ぎじゃないかな。何もあそこまで言わなくても…。」
そう言った時、瀬ノ内君は少し眉をしかめた。