俺は、お前がいいんだよ。
「ど、どうしたの…?」
「あのさ、腹…減ってないか?」
「え?」
「店の中を色々と見て回って、妹のプレゼント選びに1時間以上…付き合わせちまったし、疲れただろ?」
気遣ってくれてるってことか…。
でも、飲食店なんか入ったりしたら…瀬ノ内君と一緒の時間がまだまだ続いちゃう。
今日の私、変なドキドキで心が乱されてるし、もう帰りたい…。
「私なら疲れてないから大丈夫。お腹も空いてないし。」
「……そっか。」
「うん、だから……」
「それなら、少し飲み物だけでも飲まねぇか?今日…ちょっと暑いし、水分…摂った方がいいと思うからさ。あそこに自販機あるし、買って来る。」
「えっ、瀬ノ内君…!?」
呼び止めるけど、瀬ノ内君は自販機の方に走って行ってしまった。
確かに、今日は少し暑いから水分補給も大事だけど、屋外にいるわけじゃないから、そんなに心配してくれなくてもいいのに…。