俺は、お前がいいんだよ。

「あの、柏木君と何かあったの?」


「えっ…」


「今、柏木君の話になったら、急に表情が曇ってたから。前にも…柏木君と学校に来た時、瀬ノ内君…不機嫌そうだった。機嫌悪い日なのかな…と思ってたけど、本当はケンカしてたの?」


とは言え…前日の放課後に、私が5組の教室の前で、お礼の件で瀬ノ内君と話してた時は、ケンカしてるようには見えなかったんだよなぁ…。


でも、それは…あくまで私の主観。


実際は、ケンカしてたのかもしれないよね。


頭の中で分析していると、瀬ノ内君は苦笑いを浮かべた。


「いや、誠とはケンカなんかしてねぇよ。」


「そ、そうなの…!?それなら、どうして…」


ますます深まる疑問。


そんな私を、瀬ノ内君はジッと見つめる。



「単に、伊織が誠と話すのも、一緒に居るのも、嫌なだけ。」


「へ…?」


「別に誠に限ったことじゃないけどな。他の男が伊織と親しくしてるところだって見たくない。」


それは、どういうこと…?


っていうか、そもそも…


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