俺は、お前がいいんだよ。

「あ、あの……私が男の子と親しくするなんてこと、まずないよ。瀬ノ内君や柏木君は、私に話しかけてきたから話してる…って感じだし。基本…男の子とは、あまり関わらないようにしようと思ってるんだ。」


「…なんで？」


「た、多分…瀬ノ内君も気付いてると思うけど、私…性格に問題アリなんだよね。特に男の子に対して素直に話せなくて、トゲトゲしい言葉を返しちゃうんだ。」


「そんなの、問題アリってほどじゃないだろ。素直に言えないことなんて、俺だってあるし…。」


「ううん、私は…殆どそんな調子なの。だから中学の時には、一部の男の子たちに“可愛くない性格”とか“性格悪い”って陰口されてたんだ。男の子たちは、なるべく私と関わらないようにしてた…。そんな感じだから、男の子と親しくなることは有り得ないよ。」


「…………。」


瀬ノ内君は黙って話を聞いている。


っていうか、どうして私…瀬ノ内君に昔のことまでペラペラ喋ってるんだろ…。


「そ、そんなの…瀬ノ内君からすれば、どうでもいい話だよね。」


苦笑していた時だった。



「どうでもよくねぇよ…。」