俺は、お前がいいんだよ。

「告白するのは、伊織と打ち解けた後にしようと思ってた。でも、好きな気持ちは日に日に膨らむばかりだし、危機感もあったから…もう限界だと思ったんだ。」


「危機感…？」


「悠長に構えてると、他の男に伊織をとられるかもしれないだろ？」


「それ、絶対に有り得ない…。」


即座に首を横に振る。


「いや、大いに有り得る。つーか、現に…そういう危ない存在がいるから、すげぇ焦るんだよ。」


そんな人…いるの？


信じられずにキョトンと突っ立っている私を見ながら、瀬ノ内君は深呼吸をした。


「伊織。」


「な、何…？」


柔らかな眼差しが私に向けられる。


「俺と付き合って欲しい。」


「えっ…」


付き合うって、私が…？


瀬ノ内君と…？


衝撃的な言葉に、頭の中はパニック状態だ。