オレンジ~君のいる世界で笑ったこと~
初めて会った日
三日月島は今日も快晴だ。
緩やかな風に流されるあの雲を見ていると、何故かいつも心が穏やかになる。
…覚えてるのかなぁ、初めて会った日のことを。
暑い夏の日、船の汽笛が帰港を知らせた。
何年と新しい住民など来なかったこの島に一組の親子が引っ越してきた。父が倉橋健二、娘が倉橋サキという名らしい。どこにでもいるような幸せそうな親子だった。
「サキ、ここならお前もゆっくり暮らせるぞ」
「うん、お父さんありがとう」
サキの言葉に、健二は微笑んで頷いた。
「明後日から学校が始まるから、明日はこの島を見て回るといいよ。俺は荷物の整理とかで忙しくて行けないから、一人で気をつけて行ってくるんだぞ」
「忙しいなら仕方ないね…ほんとはお父さんも来てほしかったなぁ」
一瞬曇った表情になったが、サキもまた、微笑んだ。
緩やかな風に流されるあの雲を見ていると、何故かいつも心が穏やかになる。
…覚えてるのかなぁ、初めて会った日のことを。
暑い夏の日、船の汽笛が帰港を知らせた。
何年と新しい住民など来なかったこの島に一組の親子が引っ越してきた。父が倉橋健二、娘が倉橋サキという名らしい。どこにでもいるような幸せそうな親子だった。
「サキ、ここならお前もゆっくり暮らせるぞ」
「うん、お父さんありがとう」
サキの言葉に、健二は微笑んで頷いた。
「明後日から学校が始まるから、明日はこの島を見て回るといいよ。俺は荷物の整理とかで忙しくて行けないから、一人で気をつけて行ってくるんだぞ」
「忙しいなら仕方ないね…ほんとはお父さんも来てほしかったなぁ」
一瞬曇った表情になったが、サキもまた、微笑んだ。