真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「最近、奥さんお店には出られないんですね…?」
昔はよく、奥さんのほうが店に立っていた。
もしかしたら子供でも産まれたのかしら。
「ああ、ちょっと出払っていまして…」
伏せ目がちに笑った彼を見て、出払ってるの言葉に影があるように感じた。
「イチゴの生クリームサンド、飽きないですか?」
話しを切り替えられて、流される。
「いつも何か違うサンドイッチと、必ずイチゴの生クリームサンドのセットですね」
笑いかける彼に私も笑い返す。
「甘いものが大好きで、しかもイチゴの生クリームサンドはそこらへんのお店にはないんですもの…
大好物は毎日食べたいわ」
「うちのも同じ事言ってましたよ。必ず一つは自分用に取り置きして、仕事終わりに食べるのが幸せだなんて…」