真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「奥さんもスイーツ好きなんですか?」
「ええ、特にこのまるごとイチゴの生クリームサンドはうちのが、自分で考案した商品で、自画自賛で褒め称えてましたよ」
「…可愛い奥さんですね」
そう言って、サンドイッチの入った紙袋を受け取り、部屋に帰る。
梅酒を飲みながらサンドイッチを頬張っても
なぜだが、心に霧がかかったように、気持ちがスッキリしない。
「いくらなんでも、イチゴの生クリームサンド…続きすぎたかな。」
頭の隅に浮かんだ
サンドイッチ屋さんの伏せ目がちな淋しそうな笑顔。
気持ちが晴れないのは
…
どうしてだろう。