真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「まだこんな時間ですもの…」
そう言いながら
頭の隅に浮かんだサンドイッチ屋さんの看板。
もうあと少ししたら彼は看板の電気を消しに外に出る頃だろう…。
「そうですよね、僕も二次会参加にしようかな…」
頷きながら
ショーケースに残ったイチゴの生クリームサンドが頭に浮かんだ。
「あ、あの私…やっぱり今日は帰ります」
「えっ?」
驚いた彼に、私は慌てて妹が来る予定を忘れていたと言い訳をして、結菜にも謝りながら急いでタクシーを拾い、乗り込んだ。
妹どころか、私は一人っ子で兄妹も姉妹もいない。
我ながらとっさの言い訳に苦笑いがこみ上げる。
だけど、1番私の顔を引きつらせたのは…
頭に浮かんだサンドイッチの存在。
「やばいな…ハマりすぎてるかも…」