真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「急いでタクシーをおりると、丁度、看板の灯りを消しにお兄さんが店から出てきたところだった。
「待って!」
声をかけた私に、彼は顔をあげて微笑んだ。
「今日はもう来ないのかと思ってました。」
「来るわよ!来ない日は…すごい用事がある時くらい!そう決めてるの」
どんな決め事だよ。
言いながら自分で笑ってしまった。
「それは嬉しい決まり事だ。」
そう笑う彼に、私もまた笑い店内に入ると、ショーケースの中にイチゴの生クリームサンドの姿が見えない。
「えっ?売り切れちゃったの?」
「すいません…」
そう言いながら彼がレジの後ろの棚から紙袋を持ってくる。
「売り切れた。と言いたいところですが…
どうぞ」
そういいながら差し出された紙袋の中を覗くと、ちゃんとそこにはイチゴの生クリームサンドが入っていた。
しかも2つも。