真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜
「俺が言うのもなんですけど…毎日サンドイッチじゃ、体調崩しますよ?」
「えっ?」
サンドイッチ屋さんに通い始めて2週間が経った頃だった。
買うには買いたくて来るんだけど、結局食べずに冷蔵庫の中。
夕食はコンビニで買ったお弁当を食べていたので、そんな心配をされるとは思ってもいなかった私は、ついマヌケな返事を返してしまった。
「いや、常連のお客様に来ていただけるのは嬉しいんですけど…」
それは明らかに私の偏食を心配しての口ぶりだった。
「ああ…そうよね。」
まさか、コンビニ弁当食べてます。とも言えずに、「そうね、少しは違うものも食べなきゃね」と苦笑いで返す。
「そうですよ!うちのサンドイッチを好きでいてくれて、体調不良なんて喜んでいいのか、悲しんでいいのか…」
苦笑いの彼に私は「じゃあサンドイッチはしばらくお休みするわ」
そう言って、何も買わずにサンドイッチ屋さんを出た。
晴れない。
心にもやもや霧がかかったまま
晴れない。