真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜


ぼんやり、考えながらテレビを見ていると、気づけば梅酒の缶が空になっていた。


「物足りないー!」

誰か買ってきてくれ無いかな…。

誰が?

誰もいない。

今、私は1人。

そうだよね?光太?



たまに、記憶のどこかにいる光太との何気無い日常が

今、現在進行形のように錯覚した瞬間、私は部屋をキョロキョロ見渡して、6年も前にこの場所に越して来た事を思い出す。


「面倒だけど、行くしかないか…飲みたいもんな。」

マンションを出ると、サンドイッチ屋さんの灯りは消えていた。

こんな時間だから当たり前だけど…。

部屋着にお財布だけ手に持って、コンビニであと2缶梅酒を買って、外に出ようとした瞬間、ドンッと何かにぶつかり尻餅をついて転んでしまった。


「いったー。なんなのよ…」

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