真夏の夜のツンデレラ〜今夜は私を愛して〜

「…じゃあ、また今度」そう言って

踵を返した彼の背に「1人で夕飯なら、うちでDVDでも観てったら?」なんて声をかけている自分がいた。


「えっ?」

驚きながら振り返った彼に「その…大丈夫なら」と付け加えると

「じゃあ、観させてもらっちゃおうかな」と笑う彼がいた。


「私、柑奈よ。29歳。あんたは?」

「亜星(あせい)23歳です。」

「へっ?」

めっちゃ年下?

学生…結婚か何かだったのかしら…。


年下か…

ますます

男としては論外、圏外だわ…。

「どうしました?」

不思議そうに顔を覗き込まれたから、驚いて「なんでもないわよ」とそっぽを向いてしまった。

部屋に入るなり、DVDをかけた私の隣で、彼はもくもくとコンビニ弁当を食べている。


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